俺、好きな人できたから。
そういって照れくさそうに笑うヒョクチェは、
悔しいけれど、すっごく綺麗だった。
―You pat.―
〝君はなぜ〟
その日から、ヒョクチェは目に見えて綺麗になっていく。
同姓である俺がこんなことを言うのは変かもしれないけれど、本当に綺麗になっている。
外見もそうだけれど、なんていうか、内面から溢れ出る雰囲気というか。
そういうところに気づくのは俺だけかなぁ、なんて思っていると、
どうしようもなく自分が虚しく思えてくる。
「ドンへ、」
自分の考えに浸っていると、突然頭上で声がした。
驚いて上を見上げると、へへっと薄く笑うヒョクチェがいた。
「ヒョクチェ?どうかした?」
「うん、ちょっと。」
「何?どうしたの?」
「あのさ、ドンへに相談があるんだ」
俺が「相談?」と首を傾げると、ヒョクチェは頬を赤く染めて笑う。
ああ、本当に綺麗になった。
元々透き通るような白い肌だったけど、最近は雪のように綺麗だ。
ぼんやりとヒョクチェを見つめていると、
ヒョクチェは「それがさ…」と口を開く。
「俺、好きな人できたって言ったじゃん」
残酷すぎるその言葉は、意外とすんなりと心に堕ちた。
「それで、そろそろ、その…」
徐々に赤くなる頬を、やっぱり綺麗になったなんて見つめていると、目頭が熱くなるのが分かった。
あ、やばい。泣くんじゃないか俺。
心は全然反応しないのに、体だけが勝手に動いて。
「そろそろ、俺、告白しようと思ってて…」
どうしたら、いい?
そう言って俯いてしまったヒョクチェを、
俺はまたぼんやりと見つめる。
別に今に始まったことじゃない。
ヒョクチェの恋を応援するのには慣れているし、こうして相談を受けるのだってよくあることだ。
だけど、今回は今までと少し違う。
ここまでヒョクチェが変わった恋は、今までなかった。
だから、怖い。
どうしたらいいかなんて、俺が一番知りたい。
それでも俺は、いつもみたいに笑顔を貼りつけた。
それだけでほっと息をつくヒョクチェを見て、バカだなぁ、単純だなぁ、とか思いながら。
「やっぱり、素直に直接伝えるのが一番だと思うよ」
顔に張り付いた笑顔は、剥がれることなくヒョクチェを見つめる。
「…だ、よな…うん、ありがと、ドンへ」
ヒョクチェは俺の笑顔に安堵して、頬を緩めてそう言った。
大丈夫。どうせまた、いつもとおんなじ終わりを迎えるんだから。
いつもと違うなんて気のせいだ。
いつもみたいにすれ違って、傷ついて、どうせまた別れるんだから。
「頑張ってね、ヒョクチェ」
完璧な笑顔でそう言った俺は、毎度のように別れて、泣きながら俺にすがるヒョクチェを思い出す。
そうやって、何度も戻ってくればいい。
本当に恋なんて、しなくていいから。
「ありがとな、ドンへ」
ひらりと振られたヒョクチェの手に頬を緩ませると、
ヒョクチェは綺麗に笑って、楽屋から離れていった。
俺の笑顔は、完全に崩れ落ちる。
戻っておいで、ヒョクチェ。
どうせまた、今までみたいな安っぽい愛でしょ?
俺は違うのに。ヒョクチェしか見ていないのに。
―ホンキなんて、言わないでね。ヒョクチェ。
On your love which is not understood
〝分からない君の愛に〟
逃げ込んでいたい。
そういって照れくさそうに笑うヒョクチェは、
悔しいけれど、すっごく綺麗だった。
―You pat.―
〝君はなぜ〟
その日から、ヒョクチェは目に見えて綺麗になっていく。
同姓である俺がこんなことを言うのは変かもしれないけれど、本当に綺麗になっている。
外見もそうだけれど、なんていうか、内面から溢れ出る雰囲気というか。
そういうところに気づくのは俺だけかなぁ、なんて思っていると、
どうしようもなく自分が虚しく思えてくる。
「ドンへ、」
自分の考えに浸っていると、突然頭上で声がした。
驚いて上を見上げると、へへっと薄く笑うヒョクチェがいた。
「ヒョクチェ?どうかした?」
「うん、ちょっと。」
「何?どうしたの?」
「あのさ、ドンへに相談があるんだ」
俺が「相談?」と首を傾げると、ヒョクチェは頬を赤く染めて笑う。
ああ、本当に綺麗になった。
元々透き通るような白い肌だったけど、最近は雪のように綺麗だ。
ぼんやりとヒョクチェを見つめていると、
ヒョクチェは「それがさ…」と口を開く。
「俺、好きな人できたって言ったじゃん」
残酷すぎるその言葉は、意外とすんなりと心に堕ちた。
「それで、そろそろ、その…」
徐々に赤くなる頬を、やっぱり綺麗になったなんて見つめていると、目頭が熱くなるのが分かった。
あ、やばい。泣くんじゃないか俺。
心は全然反応しないのに、体だけが勝手に動いて。
「そろそろ、俺、告白しようと思ってて…」
どうしたら、いい?
そう言って俯いてしまったヒョクチェを、
俺はまたぼんやりと見つめる。
別に今に始まったことじゃない。
ヒョクチェの恋を応援するのには慣れているし、こうして相談を受けるのだってよくあることだ。
だけど、今回は今までと少し違う。
ここまでヒョクチェが変わった恋は、今までなかった。
だから、怖い。
どうしたらいいかなんて、俺が一番知りたい。
それでも俺は、いつもみたいに笑顔を貼りつけた。
それだけでほっと息をつくヒョクチェを見て、バカだなぁ、単純だなぁ、とか思いながら。
「やっぱり、素直に直接伝えるのが一番だと思うよ」
顔に張り付いた笑顔は、剥がれることなくヒョクチェを見つめる。
「…だ、よな…うん、ありがと、ドンへ」
ヒョクチェは俺の笑顔に安堵して、頬を緩めてそう言った。
大丈夫。どうせまた、いつもとおんなじ終わりを迎えるんだから。
いつもと違うなんて気のせいだ。
いつもみたいにすれ違って、傷ついて、どうせまた別れるんだから。
「頑張ってね、ヒョクチェ」
完璧な笑顔でそう言った俺は、毎度のように別れて、泣きながら俺にすがるヒョクチェを思い出す。
そうやって、何度も戻ってくればいい。
本当に恋なんて、しなくていいから。
「ありがとな、ドンへ」
ひらりと振られたヒョクチェの手に頬を緩ませると、
ヒョクチェは綺麗に笑って、楽屋から離れていった。
俺の笑顔は、完全に崩れ落ちる。
戻っておいで、ヒョクチェ。
どうせまた、今までみたいな安っぽい愛でしょ?
俺は違うのに。ヒョクチェしか見ていないのに。
―ホンキなんて、言わないでね。ヒョクチェ。
On your love which is not understood
〝分からない君の愛に〟
逃げ込んでいたい。
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